世界的再生可能エネルギー需要が増加する中、Taiwan Perovskite Solar Corp. (TPSC)は、台湾エネルギー展で初めてペロブスカイト大面積発電建材コンポーネントを公開しました。この発電建材は、発電機能と透光性を兼ね備えており、建物のカーテンウォール、バルコニーのガラス手すり、天窓などに使用でき、未来のグリーンビルディングに向けた新たなソリューションを提供します。
建築統合型太陽光発電 (BIPV) 分野におけるペロブスカイト発電建材の拡大機会
現在、政府は発電建材の使用を促進するために、さまざまな政策補助を展開しています。例えば、「再生可能エネルギー発展条例」では、新築物に対して、屋根の総面積または正味面積の30%以上に太陽光発電設備を設置することが義務付けられています。この政策は、光電技術の発展を後押しするとともに、新しいペロブスカイトガラス発電建材に対して有利な市場環境を提供しています。
従来、太陽光パネルは主に屋根に設置されていましたが、立面発電は建物の外壁に統合することで、建物全体の発電面積を大幅に増やします。研究によると、現在、台湾の建物の屋根に設置された太陽光パネルの総面積は約600万平方メートルですが、建物の立面も考慮に入れると、その総面積は1200万平方メートルに拡大し、発電量が約50%増加すると予測されています。建物の立面に太陽光パネルを設置することは、ペロブスカイト太陽電池が市場に進出する絶好の機会といえます。
技術的ハイライト
今回公開された大面積発電建材の展示品は、5つのペロブスカイト太陽電池（Perovskite Solar Cell）ユニットで構成されています。小型電池ユニットから大面積コンポーネントに拡張する上での技術的なブレークスルーの鍵は、封止技術およびモジュール技術の革新にあります。特に、太陽電池配線を隠す技術により、デザインが美しく保たれ、透光性も損なわれません。
さらに、この発電建材コンポーネントは、高強度の二重ガラス構造と封止エッジ構造を採用しており、屋外に設置した際に耐候性を向上させるだけでなく、製品の強度も高め、風や雨に対する耐久性も強化されています。この設計は、大面積の建材を求める市場の需要に応えるだけでなく、施工や設置をより容易にするというメリットも提供しています。
モジュール製造と高度な封止技術─TPSC「水星二号」の研究開発成果
TPSCは、新たに「水星二号ペロブスカイト試験生産ライン（Mercury II Perovskite Pilot Line）」を構築し、自社の研究開発能力を活用してペロブスカイト太陽電池モジュールの理想を現実化しました。「水星二号」には、先進的なモジュール製造技術が導入されており、さらに高度な封止技術もサポートしています。これにより、ペロブスカイト太陽電池が小面積の展示品から大面積の製品へと成功裏に転換するための重要なステップが実現されました。
この一連の技術進歩により、ペロブスカイト太陽電池の生産効率が向上しただけでなく、将来の大規模応用に向けた堅固な基盤が築かれています。
多様な応用分野
ペロブスカイト大面積発電建材コンポーネントは、天窓、建物のカーテンウォール、バルコニーのガラス手すりなど、「大面積」と「透光性」が求められる建築分野に広く応用できます。大規模な商業ビルや公共施設において、ペロブスカイトガラス建材を使用することで、自然光を取り入れつつ、建物内の電力供給にも貢献します。バルコニーの手すりとして使用する場合、安全で美しいデザインに加え、床までの設計により開放的な視界が得られます。
2050年に向けたゼロカーボン排出の時代のトレンドの中で、ペロブスカイト発電建材コンポーネントは市場で大きな注目を集めると考えています。TPSCは、引き続き多様なパートナーと協力し、ペロブスカイト太陽電池技術を通じて建設業界に新たな視点を提供し、再生可能エネルギーの普及を私たちの日常生活へと推進していきます。
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